あの一球
夏の甲子園、佐賀北高校が優勝。
帝京に勝ったところで、このチームが優勝しそうな予感めいたものがあった。
その時には知らなかったのだが、普通の県立高校で、
専用グランドとかナイターの設備とかなく、グランドもサッカー部と共用とのことだ。
私の母校となんら変わらない、そんなチームだ。
何となく佐賀北高校を応援していたのだが、形勢不利の中でまさかまさかの逆転満塁ホームラン。
鳥肌が立つ感動の展開だった。
だが、その後広陵のピッチャー野村君も応援したくなった。
(判官びいきということもあるかな)
ホームランの前の押し出しの「ボール」の判定。
ぎりぎりのコースである。
審判によっては、いや、決勝の球審もこの日ストライクの判定をしていたコースだ。
この運命の一球が勝敗の分かれ目だった。
もちろん審判に文句はない。
彼らも一生懸命ぎりぎりの判定をしているのだ。
ただ、あの一球がボールになったこと、これが勝負のあやというものだろう。
昨年に続き、今年も白熱の決勝戦だった。
広陵のピッチャー野村君は昨年の駒大苫小牧の田中君と同じように
空振りの三振で最後のバッターとなってしまった。
彼の目に涙はなかった。
力を出し切ったという思いがあるからだろうか。
彼は、あの一球をどうとらえているのだろうか。
すでに受け入れているのか、
それともこれから長い時間をかけて受け入れていくのか。
ぎりぎりのあの一球。
これが甲子園であり、野球であり、スポーツの醍醐味であると思う。
来年もまたぎりぎりの一球に
高校生達が持っているすべての力で挑んでいくのだろう。