阪神の人去る
阪神の顔ともいえる人が去っていく。
昨夜のクライマックスシリーズの敗戦が最後の試合となった。
なかなか癖のある監督さんだったように思う。
もっと癖のある野村さんや熱血漢星野さんの後に阪神の指揮をとったから
目立たなかったが、年を重ねるごとにその人となりが見えるようになって来た。
シャイな人なんだと思う。
勝利インタビューでもそうそう笑ってくれない。
淡々とブツブツと答え、頻繁に首を傾ける。
それだけに、時に見せる笑顔はかわいらしいとさえ思える。
あごを少し上に突き出し、首を傾けながらベンチからでて来て
選手交代を告げる。
眉間にはしわが寄り、疲れたような奥目で試合を見守る。
見た目はしょぼい。
藤山寛美…まんまである。
が、この人は内に秘めた情熱があった。
阪神が大好きだったんだと思おう。
燕のいつもヘラヘラと笑っている人や(私は燕ファンであるが…)
龍の冷静さを装って今ひとつ覇気のない人とは違う。
最後に選手に言葉をかけながら男泣き。
やり残した事はまたいつの日かやり遂げる事を期待している。
寛美がいなくなるのかぁ…。
またもひとつの時代が過ぎていく。
そして新たに色男がやってくるらしい。
やー、采配には色々と言いたい事もありましたけれども。
やっぱり「日本一の阪神ファン」だったのだなぁ、と思いますです。
岡田監督が物心つくかつかないかのころ、阪神の優勝パレードにて、
オープンカーで手を振る村山実の膝に乗せられた写真が残っています。
まだ抽選のみだったドラフトのとき、
「希望は具体的には言えませんが、在阪セリーグ球団です」
と言い放ち、「1球団しかあらへんがな!」の大合唱を受けながら、
当時歴代最多となる6球団競合の中で阪神入団。
幼稚園のころ、吉田義男と三遊間を組んだ三宅とキャッチボールをして、
三宅の16番を引き継ぎました。
どうやら、岡田監督の父親は、阪神のいわゆるタニマチだったようで。
それ自体はいい悪いあるにせよ、サラブレッドの阪神ファンだったのは
間違いなく。
現役時代、阪神キャンプに王さんが来たとき、多くの選手が挨拶に行き、
握手を求める中で、岡田選手ひとり無視を決め込んで言うには、
「阪神の選手が、巨人の大スターに挨拶するわけにいかんやろ、そんなもん。
王さんを尊敬してるとかしてないでなしに、縦ジマを着てそれはあかんやろ」
と。
ワンパターン采配を批判されることも多かった、というか批判もしましたが、
きっと球史に残る、偉大なるワンパターン・JFKを作り上げたのも岡田監督。
調子が悪かろうが非常に悪かろうが、5番・今岡。代打・桧山。
初回先頭の赤星が出て、投手が誰であれ関本バント。
重馬場ではどうにもならないアッチソンを、豪雨の中3度も送り出す。
ランナーのいる場面で出ると必ず全部返す自責点ゼロ男・江草を、
毎度毎度イニングの途中から送り込む。
でもまぁ、もういいんです。楽しかったから。
カメラで抜かれるたびに映る、ベンチで首を捻っては帽子を上げて、
額を撫で上げる姿は、藤山寛美に似た風貌のせいもあって、
どうにもこうにもユーモラスで。
「肩凝ってるなら、トレーナにマッサージしてもらってこい!」
とか思いましたが、「だいぶ禿げあがったなぁ、心労かなぁ」なんて心配で。
タイムリーが出ると、スタンドの誰よりも底抜けの笑顔で拍手。
高校時代、前田日明とか赤井英和にも恐れられるごんたくれだったそうですが、
神宮で「誰にモノ言うとんのじゃ!」と怒られたファンは怖かったろうな(笑)。
「最後、お前で終われてよかったよ」と、泣きながら球児の手を取る場面、
動画で見たかったなぁ。
中継は終わっちゃったし、スポーツニュースなんて見るわけもなく。
おっかっだ、おっかっだ、おっかっだー!
ホームラン! ホームラン!
満塁満塁ホームラン!
かっとばせーおっかっだー!
こんなに岡田阪神が好きだったなんて、想像以上でしたわ。
きっと第二次岡田政権もあることでしょうから、一息入れてくださいな。
岡田さんの喋りじゃ、解説は難しそうだけど。すぃーすぃーうるさい。
きっと、真弓監督がポスト金本/矢野を作り上げて、
黄金時代を完成させてくれます。
そういえば現役時代は、岡田より掛布よりバースより、真弓が好きでした。
コメント by K2 — 2008/10/22 水曜日 @ 0:53:06
>K2さん
いろいろ楽しませんてもらった岡田監督。
たぶん野村から始まり星野で固め岡田で完成した強い阪神。
ワンパターン采配でも勝ってきたのは、
そのワンパターンを変えなかったことじゃないのかなぁ。
これしか出来んという指揮官に選手はついていきやすかったのでは。
そろそろ俺か、ここは俺だろ…気合いが乗ってくる。
見てる方も、ここはあいつあそこであいつ…気合いが乗ってくる。
時代劇好きの私としては、このパターンは嫌いではない。
そろそろ交代の時期だろうか、選手も監督も。
真弓なら言えそうだなぁ、「金本休め」と。
岡田さんが現役のとき、
3本目のバッックスクリーン弾を打たれた槙原の情けない顔が好きでした。
コメント by katsu — 2008/10/22 水曜日 @ 10:12:09
ご無沙汰しています。
色々書きたいけど、k2さんってすげぇー・・・。
殆ど言われてしまいました。
しかしながら、ちょっとだけ。
岡田監督、私好きな監督ではありませんでした。
ぼやきのノムさんは、グタグタに成り果てた阪神の監督を引き受けてくれた方。
闘将星野さんは、そのキャッチフレーズのまま縦縞を着てくれた方。
お二方とも、非常にサービス精神旺盛で、エンターテイメントに長けた監督でしたね。
見ていて楽しい。「勝ちたいんや!」素敵なフレーズ連発してました。
それに比べて、岡田監督見ていてつまらない・・・。
買ったんだろうがよ~っ「勝ちたいねん!」とか無いのか?
「そらそうよっ」って・・・・。
k2さんの言うとおり、偏った選手の使い方は、時には見るに無残。
2007年のCS2連敗の時は、本当に辞めてくれって思いました。
2008年CS敗退後選手と握手し、涙ぐむ岡田監督。そして、それより号泣の球児。
野球が好きで、阪神が好きで、何より選手が大好きなのが伝わってきて
なんとも涙ぐましい気分になったものでした。
岡田の遺産を真弓新監督が底上げしてくれるか楽しみです。
それから、私の背番号は今岡のそれではなく、真弓の「7」なんです。
コメント by 背7 — 2008/10/23 木曜日 @ 23:49:42
>背7さん
ご無沙汰です。
いつでしたっけ一緒に野球やったの?
出席率悪すぎますよ。
岡田さんはきっと恥ずかしがりやなんですよ。
もっとあーもしたいこーもしたいと思いつつ、
うまく表現できなかったんじゃないかと。
確かに無愛想でしたよねぇ、もうちょっと何とかならんかと
いつも感じてはいました。
が、ああいう人なんだと途中からこっちで勝手に納得していきました。
そんな岡田さんも最後に感極まったんでしょうね。
球児の号泣もあり、もらい泣きしそうになりましたよ。
来シーズンは色男の登場ですね。
新生阪神がどうなっていくのか、楽しみです。
プロ野球界が盛り上がっていくようなシーズンになるといいなぁ。
背番号「7」は真弓だったですか。
柴田かと思ってました。
あ、もちろん焼き鳥屋じゃない方の柴田ですけど。
コメント by katsu — 2008/10/24 金曜日 @ 10:24:08