2010/2/14 日曜日

蕎麦よしの

Filed under: 食べること・飲むこと — katsu @ 1:23:47

そのお店は嫁さんのお母さんのお墓のそばにある。

亡くなってもう20年だ。
ほぼ毎年1月の命日には墓参りに出掛けている。

自宅からは車で小一時間。
高速が開通する前は一般道を2時間ほどかけてお参りしていた。

墓参りして、少しの間天国へ向けてお話をして帰る。
一年に一度はそうやってお母さん想う日がある。
でもちょっと味気ない気がしていた。
お墓の前で話をするといっても5分10分のことだ。
もう少しお墓のあたりでうろうろしていたい。
でないと、申し訳ないような気がするのだ。

そんな時に、
墓地の正面入口の向かいに、なんというか無愛想な佇まいの建物があるのに気づいた。
最初はそば屋だとはわからなかった。
それくらい何の特長もないベージュ色の建物。
看板も入口まで行かないとわからない。

ある時ネットで調べてみた。
と、数量限定売切れ御免のせいろがうまい蕎麦屋だとわかった。

墓参りはだいたい昼過ぎになる。
じゃ、昼飯をお墓のそばで食うのもいいんじゃないか。

試しに行ってみた。
店内はシンプルモダンで、いい感じの絵が置いてあったりする。
床までの大きな窓の向こうには裏山と言えそうな風景が見える。
夫婦二人で切り盛りするお店。
 
 

注文したのは天せいろ。
えび、きす、かぼちゃ、ししとう、かき揚げだったかな。
細めの蕎麦がつるつるっと口の中へ、喉越しがうまい。
量がちょっと足りないかなとも思うが、
濃厚なそば湯でそこそこ腹にたまる。

数回通って鴨せいろも食べてみた。
これもうまい。
今まで食った鴨せいろの中で一番うまいんじゃないか。
ちゃんと鴨の味がする。

こんなうまい蕎麦屋に年に一回というものどうかと。
で、去年は夏にも墓参り。
 
 

夫婦お二人でやっているからか、出てくるまでに少々時間がかかる。
メニューの端に酒とある。

鄙願(大吟醸)
亀泉(純吟無ろ過生)
菊姫(山廃純米)
…などと書いてある。

あくまでも墓参りである。

が、蕎麦ができるまでの間をうまい酒をいだたきつつ
お母さんを想うのも一興。

でも、ま、ここでも運転手である。
帰りのことを考えると飲むことは叶わない。

命日にうまいそばが食えるのだ、それでよしとしよう。

ちょっとね、不謹慎かもしれないけど、
命日が待ち遠しくも思えてきた。

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